「紅」  紅 kure-nai   最終話




紅 1 [DVD]

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フェミニストアニメ、ハーレムアニメ、演劇アニメ、といろいろな側面を見させてくれた「紅」もいよいよ最終回。





脚本、コンテ、演出、松尾衡作監石井久美。「プリキュア」もいいけど、「紅」もね!の田中宏紀。ミュージカル以来の参加か。

バトルアクションは見物だった。特に真九郎が暴走する所の作画は良すぎ。










このアニメのテーマって、「自分の意思で行動する」ことが本当のテーマだったんですね。紫にしろ、真九郎にしろ、蓮丈にしろ、最終的には自分なりの答えをだした訳で。






紫は、九鳳院に残り、その中で戦うことを選んだ。てっきり僕は、真九郎が紫を連れ戻し、五月雨荘で皆と一緒に暮らすものだと思っていました。でも紫は九鳳院に残った。僕の予想は見事に外れました。予想は外れて当然だったんですよね。真九郎の「紫を外に連れていく」という考えは、真九郎のエゴに過ぎない。蓮丈の「紫を奥の院に居座せる」もこれまた蓮丈のエゴに過ぎない。「外に出る」でもない、「奥の院に入る」でもない、「奥の院を出るけど、九鳳院に残り、戦う」ことを紫は選んだ。これは、真九郎でもない蓮丈でもない、紫自身の意思で出した答えだ。真九郎を選んでも逃げる事になるし、蓮丈を選ぶ事も逃げになる。だから、紫は自分の意思で答えを出した。僕の「真九郎が紫を外に連れだし、五月雨荘で暮らしてハッピーエンド」という予想は、「逃避」以外の何物でも無かった訳ですね。こんな「逃避」という答えを紫が出すわけがない。紫があそこで真九郎を選んでは、本当の意味での「自由」は成り立たない。真九郎を選ばないというのが、本当の意味での「自由」だった。この作品は、「女性」の自由をメインに扱っていると思っていたけど、それは間違っていて、「普遍的な自由」がメインテーマだったんだなと感じました。






ちなみに作中で出てきたスミレの花言葉には、「誠実」、「真実の愛」、「乙女の愛」があるそうです。紫色のスミレには「移ろいやすい愛」という意味があるとか。「移ろいやすい愛」って、紫っぽい。いや、女性らしい意味だな。






ラストのピアノの音色にのせた、紫と真九郎の台詞はとても良かった。TVアニメで「余韻」を感じたのは、久しぶりです。松尾衡監督作品に沢城みゆきさんが出続けてる理由がわかった気がする。最高の声優さんだ。村松健さんも最高だ。悠木碧さんも最高だ。マイメロコンビ、最高だ。



個人的には、今期最高峰のテレビアニメ作品でした。