「鉄のラインバレル」 第四話




鉄のラインバレル 10 (チャンピオンREDコミックス)

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雨が降る

雨が降る






矢島「大切なのは、どうすればいいかじゃない。お前がどうしたいかだ・・・」




浩一「俺は、俺は、アイツを殺したい!!!」






駄目だこりゃ、痛すぎるだろこの主人公。矢島の最後のメッセージの答えがそれかよ。街への被害状況が半端ないし。もうロボットアニメ史上最も痛い主人公決定じゃないのか? スタッフも全力で早瀬浩一を「痛い」奴に仕立て上げてるし。っていうか浩一がフラストレーションを溜める理由があんましわかんない。幼なじみの女の子には惚れられているし、親友はいるし、かわいい妹はいるし、優しい母親もいるし、どこに不満があるというんだ。これは、絶対に若者特有の「痛い病気」だよな。




それに少年が一度は罹る全く根拠のない万能感、全能感を浩一が「ラインバレル」という形で現実に手にしてしまうから、本当に話が厄介だ。少年は、幻想の全能感「俺、実は凄い人間なんだ」を持っているが、それが全くの偽物だと気づく日が必ずくる。でも、力を手に入れた浩一は、幻想の全能感を本当の全能感に変えてしまう。ここが、浩一という人物の厄介なところだよなぁ。




それに、本当にこの作品のスタッフはいやらしい。矢島死亡に合わせて、幼なじみと妹達が楽しげに買い物してるカットを入れてきたり、あざといなぁ。いやぁ、残酷だぜ。





矢島をめちゃくちゃいい奴と描いて、浩一を矮小な奴と描くのは対比としてインパクトが強かった。あんないい奴を腕一本するなんて・・・。ろくな死に方じゃねぇよ。こんないい男に惚れずに、浩一なんていう最低な奴に惚れる幼なじみって一体どうよ。節穴すぎるだろ。







でも、かなり面白くなってきた。「あなた、最低です」は伊達じゃないぜ。