『会長はメイド様!』第11話「碓氷拓海の秘密に迫る!」のメモ

 休みなしのギャグ。これでもかっていうぐらいの擬音語・擬態語のオンパレード。細部にまで散りばめられた小ネタ。全てが「過剰」に思えた回。すごく面白かった。この「過剰性」が良質なギャグを生成する。



 脚本/池田眞美子、コンテ/桜井弘明、演出/高島大輔、作監/田内亜矢子・石田啓一、総作監/井本由紀。



 第1話以来の桜井弘明監督のコンテ。第1話よりもテンションが高い。カットのテンポが絶妙。第4話「ネットアイドルAOIちゃん」コンテ/森脇真琴・演出/湖山禎崇、第5話「初めてのお留守番」コンテ/池端隆史・演出/神保昌登、第9話「桃太郎までもメイド様」脚本/横谷昌宏・コンテ/高田耕一・演出/徳本善信の三つの回がすごく良くて、中でも森脇真琴さんのコンテ回の第4話がベストだと思っていたが、今回の第11話もホント素晴らしい。桜井弘明監督と森脇真琴さんはやっぱ傑出している(池端隆史さんや福田道生さんも素晴らしいんだけど)。桜井監督の次回登板は、10話後の第21話?



 文字による説明。文字で説明する絶対的な必要性は無いんだけど、過剰な文字の説明を入れることによって、ギャグが生まれる。毎回見られるものだが、それがやけに多かった鮎沢家でのシーン。



 3バカの素晴らしさ。こいつらのキャラが良すぎる。『会長はメイド様!』で一番好きなキャラって、3バカなんだよなぁ。この作品って、3バカがいないと絶対に成立しないと思う(大袈裟かもしれんが)。成立しても、作品の魅力は半分になる。桜井監督ってこういうキャラ好きそうな感じが。特有の身体省略技法が3バカにベストマッチ。一番合う。



 花澤香菜さんのここまでのテンションの高さって、この作品が初めてだよな。今までの役で、こういう役はなかった。はっちゃけぶりが素晴らしい。それと脱力感。この回も良いけど、第9話「桃太郎までもメイド様」の時は凄まじかった。「ぺらぺ〜ら」を読み上げるとかも面白いなぁ。まぁ、今回に限らず各回にもあるんだけど。



 美咲たちを捉えたロングショット。吹き出し内に顔を映し出して会話するっていう手法が、今回よく見受けられる。これにどんな効果がるのかあんまわかんない。状況設定と会話を同時に見せたいためなのか。でも、登校シーンの時は状況設定しなくてもいいし。うーん、気になる。



 会話・音の小ネタ。後景の子供たちの会話が聞こえてくる。「はい、お団子」(女の子)、「いやや」(男の子)っていう会話。男の子のきっぱり断る「いやや」が笑える。さくらとしず子が碓氷尾行中に聞こえてくる誰かを追っている人物とタクシー運転手の会話。「前の車を追ってくれ」や「お客さん、まかれちまいましたね」っていう微妙に碓氷尾行に連関している尾行の会話内容。それと、Bパートの公園でのシーンで、犬の声が聞こえてくる所とか色々。こういうギャグが多く存在している。



 そのまんまのストレートな店名のギャグの反復(天丼)。VIPがカタカナだし。



 美咲母と美咲の双方に優しいと云われた碓氷。ラストでの碓氷の眼鏡姿からは、完全無欠のパーフェクト人間の欠点(視力が悪い)が垣間見え、碓氷の意外な一面(人間らしい一面)を知ることができた。普段コンタクトなのね。



 それにしても、美咲母はなんであんな大量にリンゴを買っていたのだろうか。女三人家族であんなに買うのか?




 しず子のダブル眼鏡など、他にも数えきれない程のギャグがあって、笑える素晴らしい回でした。