『けいおん!!』第11話「暑い!」

 すごく短めに簡単にメモ。気になったことを。



 コンテ・演出/石立太一



 徹底的なFIX(そもそも、けいおんってFIX主体でライブシーンなど一部しかカメラワークがない)。部室内でのカメラワークは皆無、ここまで頑として部室内で動かさないとは。不動だ(パンとか一切ない)。部室以外だとあるが(回想や屋外など)。



 1ショットの持続時間がちょっと長い所がいくつか(長回しとまではいかない)。例えば、全員での会話や唯と律の会話など。この1ショットは、約37秒間に渡って唯と律の「氷を取ってきて」のやりとりが行われる(前述した通りFIX)。カットしないで、唯と律の会話が繰り広げられ、二人のグダグダな会話がより強調される。今回、唯(豊崎愛生さん)と律(佐藤聡美さん)のやりとりよかったなぁ。


 
 他に気になったのは、同ポジの反復とか、脱皮で唯たちの成長を隠喩してたりとか。それと、俯瞰がやけに多かったような。


 第11話は主に部室内で展開されていく。室内劇という制限された空間で展開される話をいかに見せようとしていくのかの工夫。カットのテンポだったり、的確なカメラアングルだったり、空間における人物配置だったり、カメラワークの抑制だったり、時に会話をカットせず見せたりと、見応えがある回だった。

 

 「暑い」と云ってただグダグダしてるこの回って、『けいおん!』の真骨頂じゃないのかと思ったりした。



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 Bパートの終わりに部室にエアコンが配備されると、部室がぱっと明るくなる。今まであんなに部屋が薄暗かったのに(窓からの光源だけで、部屋の奥はかなり薄暗い)、なぜ急に明るくなったんだ? と疑問に思って、見返してみると、エアコンが配備されている部屋(生徒会や職員室)はすべて明るい。部屋の位置関係かなと思ったが、何か違う。

 この明と暗は、照明による視覚印象の操作みたいなもんで、暑くてしんどい雰囲気を出すために部屋を暗くして、エアコンが入って涼しくて心地よい雰囲気を出すために、部屋を明るく。今まで暑くてつらかった部室が、エアコンが入って快適になったために、部屋が明るくなった。照明によって、印象を変化させる。