『さくら荘のペットな彼女』第3話の気になったあれこれ

 毎週楽しみにしている作品。OPもEDも好きだ。


 みんなが集まって、OP曲に合わせて手を叩いている所が好き。手の動作によってリズミカルで小気味良く出来上がっているし、青春だなぁと見ていると幸せな気分になる。




 EDへの入り方も毎回素晴らしい。君と僕のOPでも思ったが、こういう手法ってなぜだか盛り上がる。

 てっきり、いしづかあつこさんがEDのコンテ・演出するのかと思っていたら(過去の作品を見ると)、コンテはりんたろう監督だった、意外。



 第3話で気になった見せ方がいくつかあったので、挙げていく。




 Aパート。三鷹仁と神田空太の会話シーン。見せ方が良いなと思った。空太の居場所について三鷹が諭すとき、三鷹は猫の餌をあげる為に席を立ち、空太と距離を取る。冷蔵庫の前まで行き、ましろ当番の札を手に取る。その後、空太が出て行くのと同時に千石千尋が入ってきて、冷蔵庫を開けるために三鷹の前に行くという、この一連の流れ。空間を使う・人物に芝居をさせるというのはこういうことなのだ。空太と距離を取り、照明が当たらないところまで行かせて、空太を諭す。空太と近距離で話すこと・照明が当たった状態で話すこととでは、この時の視聴者に対する印象が大きく違ってくる。空太と一旦距離をあけて話し(それは空太との心理的距離を一旦遠ざけるということ)、照明の当たる/当たらないで三鷹と空太の差異をあらわす。部屋の空間を巧く利用し、それに伴う芝居させ、登場人物たちの心情の推移を表現する。良いシーンだ。




 空太がましろが世界的な画家ということにショックを覚えている状況を端的に表すレイアウト。空太の前には大きく映し出されたましろの画集(=画家としてのましろ)が。ましろの世界的画家という存在はあまりに大きい。




 魚眼レンズの見せ方。このあとにもう一回ある。こういうちょっとインパクトのある見せ方が今回多い。




 Cパート。ホテルからの帰りのシーン。この時、ちょうど朝日が昇ってくる。ここの描写がすばらしい。ましろのバックにあるビルの窓に朝日が反射する描写とか、おぉと思った。輝かしくて綺麗な朝日は、空太が吹っ切れて、自分の居場所を見つけたという空太の心理を表現をしているかのようだ。しかし、前段の会話から空太が出て行くと思っているましろの台詞で、一瞬にして空気が変わる。そして、歩道橋を捉えた無音のロングショット。絶妙な空気感の出し方は面白いなと思った。




 三鷹ましろのデート姿を見て、空太と美咲が胸を締め付けられる。その空太の姿を見て七海が胸を締め付けられる。見る/見られるの描写が良い。七海が空太に「近い」と云う。物理的距離は近いが、空太は別の女性を見ており、心的距離は離れている。ここら辺はタイトル通り、近すぎて遠いを端的に表している。




 鏡の反射を使った見せ方もさりげなくしていて、かっこよい。




 度々映されるましろの裸の描写はお色気の要素もあるとは思うが、純粋無垢というか、まっすぐとかの印象を与えることにも寄与していると思う。お色気だけじゃない。




 コンテ/神戸守、演出/高島大輔。君と僕でも猫が出てきてたし、猫絡みが多い感じ。繋ぎ方に気になるところが多かった。ちょっと変な繋ぎ方をするという印象。