コードギアス


コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01 [DVD]

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昨日、アニオタの友人達と久しぶりに集まった。そこで話題になったのは当然「コードギアス 反逆のルルーシュR2」のことについてだった。



みんなが熱い議論を交わす中、僕はその熱さに馴染めないまま時間は過ぎていった。






こういう事は、2006年にもあった。みんなが「涼宮ハルヒの憂鬱」の夢中になっていた時、一人「ゼーガペイン」にハマっていた僕は、みんなのハルヒ熱にどこかついていけなかった。




もちろん「涼宮ハルヒの憂鬱」や「コードギアス 反逆のルルーシュR2」は大好きであるし、毎週楽しみに見ていた。でもものすごくハマれたわけではなかった。





なぜ「ゼーガペイン」にハマって「ハルヒ」や「コードギアス」にハマれなかったと考えてみたところ、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「コードギアス 反逆のルルーシュR2」は「感情移入」がうまくできなかったからではないのかと思った。




コードギアスのキャラは、全員個性が強い。というか強すぎる。ルルーシュやスザクはキャラクターとして完全に確立してしまっているから、感情移入する隙間が微塵もない。これは、ハルヒにもいえる事でSOS団のメンバーは全員、個性や性格が一個人として確立してしまっていて、感情移入する隙間がない。キョンでさえ性格が立ち過ぎていて、感情移入がしづらい。結局、SOS団の中にはうまく入れず外から見守っている事になり、作品世界にうまく入り込めなかった。ハルヒキョンという人物を使って受け手を感情移入させようとしているけど、コードギアスに至っては、感情移入できる人物を全く置かず、それに加え感情移入を誘導させるストーリー構成にもなってない。だからコードギアスの世界にうまく入り込めなかった。




登場人物に感情移入する時って、キャラの隙間に入り込んで、キャラとシンクロすることによって感情移入が成立するのだと思う。





前期でいえば、僕は「true tears」にものすごくハマった。それは、登場人物に感情移入できる隙間があり、眞一郎や比呂美に感情移入ができて、作品の世界にすんなり入れた。キャラの性格や個性の揺らぎとも言える隙間は、視聴者を登場人物達に感情移入させやすくしていた。





それは、ゼーガペインも同じことが言えて、キョウやリョーコに感情移入できたおかげで、作品の世界にうまく入り込めて、ハマることができた。それは、キャラの隙間だけではなく、ストーリーの構成も感情移入を誘導するつくりになっていた。主人公のキョウが視聴者と一緒になって世界の謎を徐々に知っていくというストーリー展開は、視聴者を主人公と同化させるのに大きな役割を果たしていた。






眞一郎やキョウ等のどこかまだ全部作りこまれていないキャラは、視聴者がキャラを補完できる隙間があり、その隙間を使って視聴者は感情移入ができる。






でもルルーシュやスザクなど行動理念や性格があまりにもはっきりし過ぎていて完全に作りこまれているキャラは、視聴者が補完できる隙間がない。総じてキャラに対して感情移入がうまくできない、そして作品の世界にも入り込めない。





グレンラガンでも前半のシモンには感情移入ができた。それは、シモンに感情移入できる隙間があったからだ。特に11話ではシモンと完全にシンクロできたような錯覚さえ覚えるほど、シモンに感情移入できていた。でも第三部に入った時のシモンは個性が強すぎて、感情移入ができなかった。完全にキャラとして完成してしまったシモンに感情移入できる隙間ができていなかったからだ。







エヴァのシンジには、感情移入できたけど、新劇場版のシンジには感情移入できない。それは、新エヴァのシンジは、シンジいうキャラとして確立してしまっていて、視聴者が補完できる隙間が存在しなかったからだ。








地味で無個性なキャラほど感情移入がしやすい。それは受け手がキャラを補完できる部分があり、そこに感情移入できるからだ。だから補完できる隙間がないコードギアスは、うまく感情移入ができない。







という旨の事を集まった友人たちに長々と話したら、「感情移入する必要性ってないだろ、感情移入なんかしなくても十分に作品は楽しめる」と言われて、「あぁ、その通りだな」と納得してしまった。確かに感情移入しなくても作品は楽しめる。シャフトの新房監督作品は感情移入など全くできない、というかさせてくれない。でも感情移入ができなくても、新房監督作品は楽しめる。



でもやっぱり、感情移入して作品の世界にどっぷりつかって作品をたのしみたいな。





ゼーガペイン FILE.01 [DVD]

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