「ミチコとハッチン」山本沙代監督インタビュー まとめ・要約簡易版

※書いている途中で完成版ではないです。





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山本沙代監督インタビュー要約


Q、作品を観ると、デヴィッド・リンチデヴィッド・クローネンバーグの影響を受けているのだと思うのですが、どうでしょうか?


A、デヴィッド・リンチはよく言われますが、一本もちゃんと観たことはありません。


Q、クリエイターを目指すきっかけは?


A、エドワード・ヤン監督の「特嶺街少年殺人事件」です。


Q、ミチコのモデルは?


A、デザインに関しては、しいて言うならM.I.Aを参考にしています。彼女の完璧なブラックガールとは違うハーフっぽい雰囲気が、ブラジルをモチーフとした作品世界とマッチすると思ったので。


Q、ハッチンのモデルは?


A、ハッチンについてのモチーフはありません。ただ、1,2話目の動きやカット割に関しては、アドリアーナ・パルチンピンの楽曲をイメージしていました。


Q、アツコのモデルは?


A、和田アキ子さんの70年代の曲にはまっていた時期があったんですけど、その頃にミチコのライバルを登場させようみたいな話になって。だから彼女の名前はアツコで、あだ名がジャンボなんです。






インタビュー記事 簡易まとめ


アニメーションノートのインタビュー記事


−ちなみに、これは僕の完全な妄想ですが、子供の頃しずかちゃんとか嫌いじゃありませんでしたか?



山本 嫌いでしたね。しずかちゃんや南ちゃんの良さがまったく理解できませんでした(笑)



−どのようなあたりがダメでしたか?



山本 男にとって都合の良い感じがダメでしたね。子供ながらに「そんなヤツ、いねぇよ!」と思ってしまって。あとは個性のない感じとかも嫌いなポイントでした。まぁ、あくまでも子供の頃の話ですけどね。


−いまは違うんですか?



山本 肯定的です。南ちゃんみたいな子がウチの隣に住んでて「頑張って、南が応援しているぞ」とか毎日言ってもらえば、なんでも出来ちゃいそうじゃないですか?



−それは悪くないですね(笑)。ちなみに、いま話されたような女性キャラクターに対するフラストレーションみたいなものを、作品に反映することはありますか?



山本 キャラクターの性格や行動にかなり反映させていますね。



−どういうことですか?


山本 「これは男の人が観たら引くだろうな」というような男をくいものにして生きているしたたかで強い女がでてきたり・・・私の好みがでていますね(笑)。デザインでいうとミチコのノーブラ感。アニメによく出てくるお尻みたいな記号的な胸ではなく垂れている自然な感じ・・・。


−なるほど。でも、あまり「ノーブラ感、ノーブラ感」言っていると、それはそれでスタッフの人達に白い目で見られそうですけどね(笑)。


山本 気持ち悪いでしょうね(笑)。



(中略)



−山本監督の場合は、何を表現したくてアニメを作っていますか。



山本 今は女ですね。自分が感じた女のマヌケさや女同士の友情とも恋愛ともつかない微妙な関係描きたくて、アニメを作っています。たぶん、「ミチコとハッチン」の見どころも、そのへんになっていくると思います。

                     アニメーションノート11号 80、81、82Pより一部抜粋




オトナアニメのインタビュー記事


−キャラが勝手に生まれて、動き出したと。ハッチンも同様に?



山本 ミチコと対照的に見せたいというイメージと、ひょろっとしたイメージ。あとは、男の子っぽく見えることもポイントにしています。彼女は、「女の子になることを拒否している女の子」なんですよ。要するに「子」です。だからミチコのファッションもハッチンは不愉快に思っているんです。そんなミチコとハッチンがお互いに代えがたい存在になり、変わっていく様を描きたいんです。


(中略)



−山本監督ご自身のお話もお伺いしたのですが、はじめから監督を目指してこの業界に?



山本 まったく目指してないです(笑)。ただ、自分のオリジナル作品は作りたいって、ずっと思ってました。最初は制作進行で、途中からコンテを描きまくり、今にいたる感じです。



−女性でハードな制作進行上がりというのも、珍しく感じたのですが。



山本 あ、最近多いんですよ。女子の方が根性あるから(笑)



−なるほど(笑)。監督は、ミチコとハッチンだったらどっちですか?



山本 難しい質問ですねー(笑)。ハッチンっぽい時もあったと思うし、ミチコだったときもあったし。今はどちらでもないのかもしれません。



−では最後に、本作の見どころを監督から聞かせてください。



山本 ハッチンの成長が物語にとって重要な要素になってくるので、そのあたりはぜひ注目してみて下さい。あと、ロクでもない男ばっかり出てくるのも見どころですね(笑)。ホントに、クズ野郎ばっか!(笑)



−監督は「基本的に男なんてダメなもんだ」と?



山本 そこまでは思ってないですが、この作品を思いついたと時、丁度男と別れたところで(笑)。彼氏もいないから女友達と旅に出て、そこで思いついた話だからかもしれないですね。




                       オトナアニメ10号 100、101Pより一部抜粋



アニメージュ オリジナルのインタビュー記事


―作品の話をもう少しお聞きしたいんですが、本作を通して山本監督が一番描きたいことって何ですか?


山本 女性のナマっぽさですね。そもそも、いろんな女のコをフィルムしてみたいという想いからスタートした作品なので。


−山本監督の考える女性のナマっぽさって、どういうものですか?


山本 それは人それぞれなので、コレという言い方はできませんね。ただ、「ミチコとハッチン」に関しては、本音を隠さないで表現しようと思っています。ミチコだったら、彼女の強さを描くと同時に、男の人がひくようなグズグズの部分もきちんと表現していく。やっぱり、どんなに強い人でも、なんでもかんでも強いかといったら、そんなことはないと思うんですよ。


(中略)



−ちなみに、作品の話をぬきにして、山本監督から見た女性ってどういう存在ですか?


山本 いままで、中身の話をしておいてなんですが、見た目が大好きなんですよ。女の子の(笑)。なので、あまり話が合わなくても、可愛いっていう理由だけで付き合ってる人もいます。まぁ、それを口にしてしまうと嫌われてしまうので、絶対に言わないですけど(笑)。



(中略)



−いまの女性観なんかもそうですが、山本監督の女性的な視点というのは、本作の大きな特徴のひとつになっていると思うんですが、山本監督自身がコレは女性監督の演出だよなと感じる部分はどこですか?




山本 ストーリーを単調なできごとの羅列にできない。キャラクターの感情を記号化しない。そういう姿勢は、自分でも少女マンガっぽいよなと思います。




−少女マンガってそういう感じでしたっけ?




山本 私のなかの設定では、そうなんです。少女マンガといっても70年代の少女マンガのイメージですが。




−なるほど。でも、いまの話って女性ならではの話なんですか?


山本 関係ないですね(笑)。何だろう・・・・・でも、真面目に答えてしまうと、やっぱり女の本音の部分を隠さずに描いているっていうのが一番大きいんじゃないですかね。ミチコの不倫の話にしても、男の人が作っていたら、もっと理想化された綺麗な話になっていたと思うんですよ。


−なんで、山本監督は女性の本音にこだわるんですか?


山本  やっぱりドラマを重視したうえで、本音を織り交ぜた方が絶対面白くなると思うんですよ。視聴者も、どこかで見たことのあるようなドラマには飽き飽きしていると思うので、「ああ、そういうことってあるよね」みたいな感情をきちんと描いていった方が、興味もそそられるだろうし、観ていて楽しめるんじゃないかなと思うんです。実際に「Lの世界」みたいな海外ドラマを観ていても、ストーリーがどうとかよりも、そういうことあるよね的な部分が面白かったりするんですよ。


−なるほど、でも、山本監督が「Lの世界」を観ているっていうのが意外ですね。ある意味、ディビット・リンチを観ていないという話よりも意外です(笑)。


山本 普通は観ませんよ(笑)。どんな作品が大人の女性に受けるのかを研究するために観たら、意外とハマってしまいした(笑)。




                       「アニメージュ オリジナル vol.2」64P、65Pより一部抜粋






オトナアニメ Vol.10 (洋泉社MOOK)

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アニメージュオリジナル animage ORIGINAL vol.2 (08.DEC (ロマンアルバム)

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