『ヨスガノソラ』について


 ストーリーとか、登場人物とか全く好きになれないけど、毎週欠かさず観ている『ヨスガノソラ』。視聴の感想を箇条書きで。



・OPが良い。OP冒頭、青空と入道雲の開放感から、屋内(和室)の閉塞感へと続く。夏の青空と大きな入道雲と広大な田園風景、閉塞感溢れる電車の車内と屋内の描写。広大さと狭小さの対比。この対比がOPを魅力的なものにしている。




・OPの主題の一つになっていると思えるのが、「水」の描写。OP中、穹が水の中で揺蕩っている描写が多い。ずっとゆらゆらと揺れていた彼女は、最後自分の足で立ち上がり、悠と抱き合う。彼女は揺蕩うのをやめ、悠を選ぶ。




・狭小で閉塞的な世界には、いつも穹がいる。穹は、檻のような部屋と水の中に閉じ込められているよう。いや、自らすすんで閉塞的な世界にいるのかもしれない。

 その閉塞的な世界から穹を連れ出してくれるのが、悠。電車の車内から穹を連れ出して、青空の下で二人は自転車で疾走する。穹は最終的に部屋から抜け出し、浮上して水の中から出る。狭小で閉塞的な世界から飛び出した穹は、光の中で悠と一緒に抱き合う。


・窓の反射は、過去と現在を繋げるような機能を果たす。奈緒の件で不安そうな顔を見せていた幼い頃の穹だが、悠と一緒に窓から見た未来の自分たちは、互いに正面で向き合い、不安そうな顔をしていない。幸せそうにみえる。ここでの「もう何も迷わない」という歌詞の通り、穹は何も迷うことはなくなっている。





・第7話良かった。カット割りもレイアウトも良い。

 穹が蚊に血を吸われたのを契機に、奈緒と悠が徐々に接近していく。蚊に刺された痒みと、奈緒と悠の距離が縮まっていくの見せつけられる穹の心理は、照応している。

 苛立ちにまとわりつく脚の痒み。




・しまづ聡行さんのコンテ回が良い。