話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10選
久しぶりの更新。
karimikarimiさんの「話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10選」を見て面白そうだなと思い、自分もやってみました。
『会長はメイド様!』第4話「ネットアイドルAOIちゃん」
脚本/吉田玲子、コンテ/森脇真琴、演出/湖山禎崇、作監/滝本祥子
桜井監督が参加した回(第11話や第20話)や馬引圭さんのコンテ・演出回の第23話「スイーツ大盛りメイドラテ」、第21話「碓氷のライバル?深谷陽向」(脚本/池田眞美子、コンテ/大久保政雄、演出/神保昌登)など、他にも素晴らしい回はたくさんあるけど、第4話が一番かなと。桜井監督を超えるハイテンションなギャグと小気味よいテンポで気持ちよく観させてもらった。いい感じの脱力感も見事。
『こばと。』第19話「…ホワイトクリスマス。」
脚本/吉田玲子、コンテ・演出/中村亮介、作監/櫻井邦彦・キムクムス
伊藤智彦さんが参加した回(第5話「…ホタルのやくそく。」と第17話「…謎の生命体、2号。」)や浅香守生さんが参加した第23話「…こばとの願い。」も良かったけど、やっぱ第19話。他の回とは、別格。冬の幻想的な風景、繊細な心理描写、美しい多彩な色彩など、「中村亮介さん、すげぇな」と思った回。小鳩、藤本、堂元の三角関係(?)のストーリーも良かった。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第9話「俺の妹がこんなにエロゲー三昧なわけがない」
脚本/伏見つかさ、コンテ/舛成孝二、演出/宇井良和、作監/杉本光司
第6話「俺の幼馴染がこんなに可愛いわけがない」(コンテ・演出/喜多幡徹)もとても素晴らしいんだけど、こっちで。登場人物たちが自宅に居るときの描き方がいいなと。特に、黒猫の生活感溢れる細やかな描写の数々が見事。寝ている妹を気遣う仕草は、舌を巻く。日常描写が群を抜いている。桐乃とゲームと京介の関係の描き方もいい。
『けいおん!!』第11話「暑い!」
部室で「暑い」と云ってダラダラしている何気ない日常を、カット割り、レイアウトで見事に表現していた。石立太一さんの回での登場人物たちの繊細な所作は、どの回よりも見物です。
第二期の石立太一さんの参加回はどれも素晴らしい。
『それでも町は廻っている』第8話「全自動楽団」 Aパート「全自動世界」
脚本/高山カツヒコ、コンテ・演出/龍輪直征
歩鳥と辰野と紺先輩のコインランドリーでの絶妙なやりとりは、いつ観ても面白い。観ててお腹が減りました。
最終話も良かった。ラスト5分は、感動した。
『迷い猫オーバーラン!』第1話「迷い猫、駆けた」
作品中の一番は、第10話「迷い猫、持ってった」(監督・脚本・コンテ/佐藤卓哉、演出・作監/菊池聡延)なんですが、一番好きなのはこっち。板垣伸さんの2010年の仕事では、他にもっと良い仕事があるのだろうと思うけど(BASARAやパンスト)、僕はこの回が一番気に入ってます。妙に中毒性がある回で、この第1話がなければ、迷い猫は見続けなかった。ストレスを与えず、気持ちよさがだけが残るこの独特のテンポに魅了された(それと空間の奥行きを強調する感じにも)。登場人物たちの魅力が十二分に発揮されていたのも良い。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』第1話「響ク音・払暁ノ街」
誰もが精緻な美術に魅了されたと思う。舞台設定も良いし、人物たちの芝居・見せ方・ドラマも良い。それと、「何か面白いことが始まる」感がすごくあって、ワクワクドキドキした。第1話での「何かが始まる感」って僕はとても重要だと思っていて、それを出すのって結構難しく、多くの作品はうまくできていないと思います。でも、『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』第1話は完璧に出来ているのがすごい。2010年放送されたTVアニメの中でベストの第1話目なんじゃないかと。
第4話「梅雨ノ空・玻璃ノ虹」(コンテ/神楽坂時市、演出/田辺泰裕)や第7話「蝉時雨・精霊流シ」(コンテ・演出/松尾慎)、第10話「旅立チ・初雪ノ頃」(コンテ/鎌倉由実、演出/藤本ジ朗)など良き回も多かった。