『アイドルマスター』第9話 山内重保についてのメモ


 気になったので、山内重保さんについてのちょっとしたメモ。


 山内重保さんのコンテ・演出回は、わかりづらいというか、ちょっとだけ見にくい。



 一般的な場合。場面転換をしての初めのショットは、ロングショットで「ここはこういうところですよ」という状況設定をして、人物などの対象物を映していく。例えば、学校の教室の中にいて椅子に座っている人物を映したいときは、まず学校の全体像を映し、次に教室の中の全体を映し、最後に椅子に座っている人物を映す。状況をわかりやすく伝えようとすると、全体から細部へと接近していくようになる。


 例を挙げてみる。『花咲くいろは』第18話「人魚姫と貝殻ブラ」での街へ買い物に行くシーンではこうなる。


 街の全体像



 店の外観
 



 店の中



 人物



 っていう感じで、全体から細部へと繋がれる。こういう見せ方は、状況をすごくわかりやすく説明してくれる。



 山内重保さんはなぜかこういうことをあんましない。ロングショット→クロースアップというお決まりをせずに、クロースアップ→クロースアップで状況を説明したり、クロースアップ→ミディアムショットで状況説明したりする。最初の数ショットをずっとアップショットで繋いで、数ショット目にようやくカメラが引いて状況設定がされたりするのである。細部→細部→全体みたいな。だから、見ていてちょっとわかりづらかったりする。


 僕は全体→細部という構造だと見ていてわかりやすく安心したりする。反対に、細部→細部と続くと理解が遅延し変な感覚になる。山内重保さんは、見ている者をハッとさせるためにこういうことをやっているのだろうか。確かに視聴者の意識を強く引き付けられるような気がする。


 例えばこれとか、



 最初何が何だかわからないが、4・5ショット目でこれが洋館で起きていることなんだとわかる。最初に4・5ショット目を持って来ればいいじゃんと思ったりするが、山内重保さんはそんなことをせずに逆構造にして見るものにインパクトを与える。



 車の俯瞰ショット、事務所の窓を捉えたショット、伊織と双海姉妹を捉えたアップショットと続く。事務所+車のロングショット(パンアップ)→事務所の内部→伊織と双海姉妹っていう感じで見せればいいじゃん。確かに車の俯瞰ショット→事務所の窓を捉えたショット→伊織と双海姉妹を捉えたアップショットでも状況はわかるけど、ロングショットを入れた方がわかりやすくないか?って僕は思ってしまう。しかし、山内重保さんは僕みたいな安直な選択をせずに、見せ方を工夫して視聴者に見せる。





 山内重保さんはお決まりの見せ方をしないのは、いつもと違う見せ方をして視聴者の意識を引き付けるためなんだろうなと思った。



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 冷蔵庫開けるとこんな感じのショットが。変わった見せ方。