「かんなぎ」で山本寛監督がしたい事〜オトナアニメより〜
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今号の「オトナアニメ」めっちゃ良かった。山本寛監督の10000字インタビューや舛成考二監督、平池芳正監督、高橋渉さん、神前暁さんの四人から見た山本寛像、倉田英之さんのはっちゃけ(?)トーク、SONYのアニメ戦略等、どれも面白い記事ばっかりでした。
それで気になった部分をいくつか、
山本寛監督と「ギミック」
オトナアニメで連載中の「妄想ノオト」でもしばしば使われる「ギミック」という言葉、この度の10000字インタビューでも使われていました。この「ギミック」とは何かというと
『ギミック』=「引っかかる要素」
パロディ要素、萌え要素=データベース、key等のギャルゲー作品に反映を基礎付ける解決する必要性のない複線を含んだ様々な解釈を誘発させる複雑でナイーヴな世界設定等
上の奴は、「妄想ノオト」のtrue tears回で説明されていたものを僕が勝手にまとめたもので、監督の言っている「ギミック」とは若干違うのかも? まぁ、引っかかる何かという意味で使っているのでしょう。今回の「かんなぎ」では、「ギミック」を少なめにして、キャラクターの内面から出てくるドラマ性を重視したいとインタビューで言っていた。「妄想ノオト」のtrue tears回でも散々言っていたが、山本寛監督はドラマ性、ドラマトゥルギーを志向しているようで、ハルヒ以降アクロバティックな奴だと思われているけど、実際は堅実でドラマ性の高い作品作りこそが本来のヤマカンで、それが今回の「かんなぎ」で本来の姿に戻ってきたらしい。確かに、一話目を観ると「ギミック」は少なく、ドラマ性の高い作品作りになっていた。
-山本寛監督のfix主義
fixとは、固定カメラ、画面を固定させて撮影することの意味で、平池芳正監督と高橋渉さんの双方がインタビューで指摘していた。山本寛監督が担当したコンテなどでは、よくfixが使われる。
確かに山本監督は「らきすた」、「フルメタ」でも多くfixを使っていた。スケッチブック第11話でもfix主義を貫き、平池芳正監督のカメラワーク主義とささやかな戦いを展開したそうだ。そういえば、ヤマカンがとあるアニメ映画のfixについてダメ出ししていた記事を何かで読んだことがあったなぁ。
でも、今回の「かんなぎ」では、「カメラワークが多い」そうだ。それには、何かしらの意味があるらしい。
一話目を観ても、僕はその意味がよくわからなかったが、「かんなぎ」で注意しなければいけない表現なのだろう。
今回のインタビューを読んで感じたことは、
山本寛監督は「かんなぎ」でドラマ性の高いアニメを主流にさせるきっかけを作ろうとしている
近年氾濫している「ギミック」をうまく使いこなしているのは、新房監督だけでそれ以外はあまり成功していない。そのような状況では、今後「普通のドラマ」の需要が高まる違いないと見越したヤマカンは、「かんなぎ」でドラマを主流にしようとしている・・・・・のかもしれない。
まぁ、僕の勝手な妄想ですけど。
ヤマカンがtrue tearsを高く評価していた理由は、ドラマ性が高かった事だし、ヤマカンがドラマ性の高いアニメを志向しているのは、間違いないと思うんだけどな。
それにしても、今回のオトナアニメはよかった。「マクロスF」について大変興味深いことも書いてあったし、今号は、買いだな。
余談
前々から思っていたのだが、巻末を見ると、はてなダイアリーを利用している人が結構いる。でも意外と知らない人ばっかりだ。有村悠さんに上田繭子さんに冨田明宏さん。僕自身、決められた範囲内しか見ないから、三人のダイアリーを見たことないな。アニメ感想サイトとあとごく一部のサイトしか見てないからなぁ。はてなっていろんな人が使ってるんだな、今度拝見しよう。