「マクロスF」最終回の結末について〜河森正治総監督と中村悠一さん〜






オトナアニメ Vol.10 (洋泉社MOOK)

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マクロスF」最終回におけるアルト、ランカ、シェリルの関係について、オトナアニメ10号にとてつもなく興味深い記事が載っていたので、メモのついでに一部抜粋します。








河森正治総監督インタビュー


−最終回はランカも救出されたんですが、シェリルも死なずに済みましたよね。



河森 「スタッフ間ではいっそう殺そうかという説もあったんですけど、情が移っちゃって(笑)」



−ふたりとも助かって良かったんですけど、これからアルトはどうするんですか?



河森 どっちとゴールインするかも、すっごい迷ったんですけど、まあ何でもかんでも白黒付けたがる流れに抵抗してみました(笑)。世の中、そんな簡単には行かないんじゃないのって



−じゃあ、ある意味どちらも肯定しちゃったんですね。



河森 「そうそう。この地球においては一夫多妻の社会も一妻多夫の世界も、今でも現実にあって、そちらのほうが人類の歴史の中ではノーマルじゃないかと。一夫一妻制って実はものすごーく歴史が浅いということを、現代の日本では忘れられていますよね」 





−でも『マクロス』って、三角関係でどっちにするの? というシリーズじゃないですか(笑)。河森正治監督の人生観が変わったんですか?



河森 「いや、そうじゃなくてね。純粋に歌姫がふたりいたら、どっちも違う魅力があって選べない(笑)」



−すごい人間くさい理由が!



河森 「生死のかかった戦争中に、どっちかが死にそうだったら、そりゃ助けるよねと。今後、アルトも決断するでしょうけど、きっとね。芸能人は大変だよ〜(笑)」


−そういえば、実はクランひと筋だったミシェルは生きているんですか?




河森 「少なくとも、TVシリーズにおいては死んでますね。ゲームのリセットボタンを簡単に押してしまう時流だからこそ、あえて生き返らせるのはやめようと」





                                                 「オトナアニメ」10号47ページより一部抜粋




早乙女アルト役 中村悠一さんインタビュー





−・・・最終回では無事バジュラとの戦いには決着がつきましたが、視聴者としては三角関係の行方が・・・・・。




中村  それは出演者も同じですよ。僕もいち早く知りたかったので、台本いただいてすぐに最後まで読んで「ずるいなぁ」って思いました。ランカとシェリルに「お前たちが俺の翼だ」って言うシーンなんて、「めちゃくちゃなこと言ってるよ、コイツ」って、現場にいたみんなから責められましたから(苦笑)。



−一体、アルトはどういうつもりだったんでしょう?




中村  僕は、アルトとして物語に接しているし、彼が何をどういう風に思って行動を起こしているのか、という辻褄合わせをしないとお芝居ができないので、一生懸命考えたんですけど、それで出た結論が「きっと深い意味もなくしゃべってるんだな」と(笑)。アルトには、本当に「今は三人でこの場を切り抜けよう」という気持ちしかなかったんじゃないでしょうか。


−でも、ランカとシェリルは本気でアプローチをかけているのに・・・・・・。




中村  そこはやっぱり問題ですよね。実は、恋愛に関して「こうやってくれ」という演技指導はほとんどなかったんですよ。たぶん、どっちかに気があるようにしてしまうと、視聴者のみなさんに「答え」を提示していることになってしまうから、敢えてアルトはあいまいな表現にして、はがゆさを演出したんでしょうね。ただ、アルトはプレイボーイではないし、「どっちにも良い顔しよう」と考えているわけではないんです。自分が一番したいことを優先した結果、それが二人との恋愛ではなかったというわけだけで。


 

                          

                                               「オトナアニメ」10号 41ページより抜粋





これは、一部を抜粋したものであって、他にも興味深い事が数多く載っていました。



インタビュー記事を全文読むと、河森正治監督はそこまでアルト、ランカ、シェリルの三角関係に興味はなかったように思えました。それよりも、もっと別なテーマに関して興味があったようです。






オトナアニメ9号、10号は、「マクロスF」について貴重な資料とも言えるので、懐に余裕があったらご購入をお勧めします。












オトナアニメVol.9 (洋泉社MOOK)

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オトナアニメ Vol.10 (洋泉社MOOK)

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追記



ブクマコメで指摘されていた箇所を訂正しました。誤解を招く記述をしてしまい、すみませんでした。