出合小都美のTVアニメOP・EDコレクション


 今、驚異的な数でOP・EDのコンテ・演出をしている出合小都美さん。


 前期は、2本(OP1本、ED1本)。今期に至っては、3本のコンテ・演出をしている(ED3本)。僕は、担当したその数に「どんだけ!」と驚いてしまった。

 OP・EDのセンスの良さで、引っ張りだこのようだ。


 前に書いた記事の続きにもなるけど、出合小都美さんのOP・EDの特徴について書いていきます。


 出合小都美さんのOP・EDの特徴は、


1 「カラフルな色彩」

2 「花」

3 「乙女らしさ」



となっていると思う。

 女性らしさが溢れるOP・EDが特徴的と云えるだろう。


神のみぞ知るセカイ』(2010&2011年 マングローブ制作)


 物語に合わせて、電子的な作風のOP(ELISAさんの曲も印象的だ)。このOPで、出合小都美さんの名前を知った人は多いような気がする。一瞬だけだが、花(レースなどの乙女らしい小道具)を使用したりしている。この辺りから、特徴が少し出ている。色彩もヴィヴィッドだ。



ましろ色シンフォニー』(2011年 マングローブ制作)


 出合小都美さんの特徴が全面に出た傑作ED。このEDによって、出合小都美さんの方向性が明確になった。美少女ゲーム原作っぽくない乙女らしさ全開のEDであり、このEDだけ別の作品のようだ。


 水彩的なやわらかな色使い。多彩な色彩を使用し、美しく仕上がっている。「花」、「蝶」、「レース柄」、「音符」などの乙女ティックな小道具もそこら中に散りばめられており、marbleさんの曲「水彩キャンディー」とあいまってとても可愛らしい。謎の小動物・「ぱんにゃ」がいい味を出している。



となりの怪物くん』(2012年 ブレインズ・ベース制作)


 戸松遥さんのパワフルな曲「Q&A リサイタル!」に合わせての元気溢れる仕上がり。水彩的な色使いを引き続き使用しながらも、『ましろ色シンフォニー』でのやわらかな色使いではなく、原色に近い色を多用したインパクトの強いものになっている。それゆえに、パワフルな曲調にもマッチしている。カットのテンポの良さも観ていて気持ちいい。「花」、「蝶」、「レース柄」はお約束だが、「お菓子」の小道具も追加されている。出合小都美さんのOPは、少女漫画原作にはぴったりのものだったろう。



ソードアート・オンライン』(2012年 A-1 Pictures制作)


 2クール目のED。桐ヶ谷直葉がメインのEDとなっている。満月の中、部屋にいる直葉。満月の光という色調が、直葉の和人のへの想いの機微を巧く表現している。もちろん「花」も登場する。落ち着いた仕上がりで、『ましろ色シンフォニー』や『となりの怪物くん』のような乙女らしさ全開ではないが、どこか女性らしさがあるEDだ。



『Robotics;Notes』(2012〜2013年 プロダクションI.G制作)


 2クール目のED。チュウタネロボ部の面々が描かれる。季節は冬から春へと。皆がいなくなる構成は、卒業を思わせる節がある。最後にタンポポの種子が登場する演出も良い。サビも盛り上がる。



THE UNLIMITED 兵部京介』(2013年 マングローブ制作)


 コンテで参加。トランプをモチーフにしたスタイリッシュなED。色彩を抑えつつ、ここぞという時に使用する。eyelisが歌う「OUTLAWS」とあいまって、かっこよく仕上がっている。



俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』(2013年 A-1 Pictures制作)


 この作品のOPを観たとき、出合小都美さんっぽい感じがしたが、こんなに扇情的なもの作るのかと疑問に思ってみたら、EDの方でした。


 出合小都美節が炸裂したED。夢の中にいるような、おとぎ話をモチーフにしたかのような構成。登場人物のパーソナルカラーに合わせた色使い。出合小都美さんのOP・EDの中で一番好きだ。カラフル且つ可愛らしく仕上がっており、これぞ出合小都美という感じ。寝巻も細部までデザインされており、細やかな仕事だ。ヨーロッパやアラビアンな所とか、幅も広い。月や太陽に顔が書かれているところも外国の童話っぽいですね。




 出合小都美さんのOP・EDが激増した理由はわからないが(仕事が早いのか、たまたま重なっただけなのか)、色々なOP・EDが観れて楽しい。OP・EDだけでなく、本編のコンテ・演出も素晴らしいので、今後は要チェック!