けいおん! 第13話(番外編)「冬の日!」が面白い


 短めに、気になったことをダラダラと。




場面転換


 アバンタイトルでは場面転換に特徴があります。

 澪がパソコンで歌詞を書いている(多分)所から始まり、最後に澪の足を捉えたカットで終わります。そして電車を待っている紬の足を捉えたカットに切り替わります(図1)。最後に電車に乗り込む紬の足から、律の歩いている足のカットに切り替わります(図2)。カメラに律が迫っていき、律のコートに画面全体が覆われたら、今度は梓のコートに切り替わります(図3)。梓が猫から逃げていき、猫だけが画面に取り残され、車が横切ると唯が歩いている所に切り替わります(図4)。
図1

図2
 
図3
 
図4
 


 空間と時間を跳躍する場面転換を、アバンでは同じイメージを使って繋いでいきます。足を捉えたら足で。コートを捉えたらコートで。この同じイメージで繋ぐことによって、場面転換をスムーズに、視聴者に違和感なく見せています。

 それに加え、軽音部のメンバーが同じ空間や同じ時間帯にいるのではなくても、「メンバー同士が繋がっている」イメージをもたらします。あとここから蛇足であり推測(無茶な)なんですが、梓から唯に切り替わる所だけ、同じイメージで繋いでいません。ここに何故だか断絶があります。澪、紬、律、梓の心が揺らいでいるということ、変化していること、似た心境であることを、同じイメージを使って紡ぐことによって表現し、唯一人だけ同じイメージで繋がずに途切れさせることによって、唯だけいつもの彼女と変わらない状態だということを表し、差別化したかったのかもしれません。*1



不安


 紬のファーストフードでのアルバイト、澪の歌詞作りのための海への一人旅、梓の猫の子守り、律の弟と一緒に映画。それぞれ、順調にいっていたんですが、Bパートに入り突如歪みが。その不安感の煽り方について。




 中心に澪を置かず、画面に余白を作ることによって、視聴者に違和感を与えており、空虚感を出している。律の時も構図の不均衡さが空虚感をかもし出している。



 誤ってコーラをかけてしまい「すみません」を繰り返す紬。「すみません」しか言わず、泣きながら何回も繰り返す様とBGMが不安感を加速させる。


 猫の後ろ姿と「何か」を吐きだしているさまだけを描写し、猫に緊急事態が起こったように見せかける(実際は毛玉を吐いているだけ)。




第13話の個人的な印象

 なんだか、今回はちょっとやりすぎなような気が・・・・。何がやりすぎかっていうと、この視聴者に対しての不安感の煽り方。何もここまで煽らなくてもって感じが・・・・。いや、確かに、絆の再確認、軽音メンバーにとって唯がどういう存在であるかってことが示されたわけで、その点ではとてもよかったんですが、この過剰すぎる煽り方はどうなのかなぁ、なんて。第11話みたいにさりげなく見せてもらった方が良かったのかもと思ったりしました。脚本的(吉田玲子さん)にはそこまで煽ってなかったと感じるんですが、山田尚子さんの妙に煽るように作ってるのが何とも・・・・。まぁ、番外編だしなぁ。

 最初、アバン見てちょっとびっくりしました、「何が起きたんだ」って。それほどに、今までの作品の雰囲気とかなり違う。ここまで露骨にやるのは、この作品らしからぬ感じが。

 う〜ん、他の方は一体どうなんでしょうね。今からはてなキーワードでアニメ感想を見てこようと思います。絶賛してるのかなぁ・・・。





おまけ

 手の温もりで軽音部メンバーの絆を再確認する象徴的な部分。ここら辺は本当に良いです。

*1:これは勝手に思いついた完全な妄想であり、多分まったくそのような意図はありません。都合上唯の所だけああいう風に繋いだのでしょう。