獣の奏者エリン 第7話がすごく面白い


素晴らしい!! 久しぶりに感動した!!!





ついさっき、見終えたのですが、めちゃくちゃ良かった。涙が出ましたよ。録画なんかで観ないで、リアルタイムで観ればよかったと今更ながら後悔しています。ストーリーも演出もどれもすごく良かった。アニメで感動したのは、ホント久しぶり。



急いで書いたので、誤字脱字が結構あるかもしれません・・・。それで、本編の内容ですが、





まずOPを流さずに、シュナンとヌガンの稽古シーンが描写されます。ここでは、稽古シーンの間に「闘蛇の像」と「真っ赤な色をした葉」のカットが執拗に挿入されます。この時点では、「闘蛇の像」と「真っ赤な色をした葉」が何を意味しているのかはわかりませんが、この後のソヨンの処刑シーンで隠された意味がわかります。ソヨンの処刑シーンで、「真っ赤な色をした葉」がソヨンと交互に描写されており、「真っ赤な色をした葉」が「ソヨンの死」=「死」のメタファーになっていることが読み取れます。「闘蛇の像」は野生の闘蛇を意味しており、このシュナンとヌガンの稽古シーンは「ソヨンの死」を予見していたシーンだったことがわかります。




シュナンとヌガンの稽古シーンでは、二つに分かれた木の枝の間からシュナンとヌガンを捉えたカットが多く存在します。これは、二つに分かれた木の枝のように、シュナンとヌガンの考え方がこれから相容れないものなっていくことを意味しているかもしれません(これは、考えすぎか)。現にダミヤについて、既にシュナンとヌガンの捉え方は違っているようですし。




稽古シーンには、二人だけではなくダミヤも登場します。ここで、ダミヤは「真っ赤な色をした葉」を手の平に乗せたり、弄んだりします。これは、「死」の暗喩となっている「真っ赤な色をした葉」を自分の意のままに操る、「死」を操るということを意味していると思います。これは「ソヨンの死」を操ることも暗喩しており、この黒幕がダミヤだったことを感じさせるものかもしれません(原作を読んでないのでよくわかりませんが)。




ラストの「光が強ければ、影も強くなる」の言葉通り、水面が朝日に照らされ光輝く瞬間にダミヤが真っ黒なシルエットに変わる所は、言葉と映像がシンクロしていてとても良い場面でした。


タイトル明けは、エリンがサジュの家族達と食事をするシーンなのですが、ここはエリンよりもサジュの方が印象的なんですよね。エリンが泣きながら食事をしているんですが、そこで見切れているサジュがいるんですよ、泣きながら。顔の半分しか映ってないんですが、一瞬でサジュの心情が読み取れます。友達の母親が処刑されるかもしれなくて、しかもその友達が隣で泣きながらご飯を食べているんですから、心が締め付けられる想いだったんでしょう。


その次のソヨンが責められるシーンで、この時間帯にえげつない描写をするなぁと思っていたのですが、ソヨンが鞭を打たれている直接的な描写をせず、ソヨンが鞭で打たれているのを痛々しく見ている村人達の表情と鞭の音で間接的に描写しているのは、この時間帯にあったもので尚且つ痛々しさをうまく表現している効果的なシーンだと感じました。


エリンが母の腕輪を思い出し、外に飛び出して、母が処刑されるのを聞いてしまうシーンで、ソヨンが抽象的に描かれた闘蛇の絵の中に引き込まれる所は、よく出来た所だと思いました。実際の闘蛇を描くより、いつもの抽象的な闘蛇を描いた方が禍々しくて恐ろしいものなんだというのをうまく表現していました。闘蛇の中に落ちていくのはよほど恐ろしいものなのでしょう。


その後のエリンがあまりにも悲しい。ナレーションで母親を助けて一緒に旅をするという考えを明らかにしているんですが、現実的にはソヨンの命を助けることは不可能に近いことであり、それでも母を助けられる事を信じてボロボロになりながら必死に走るエリンの姿があまりにも悲しかった。


Bパートに入って、ソヨンの処刑シーンになります。ここで、僕がちょっと驚いたことがあって、それは何かというとソヨンが震えてるんですよね。あの冷静沈着なソヨンが。これでいかに闘蛇に喰い殺されることが恐ろしいのかがめちゃくちゃ伝わりました。


エリンが朝日に照らされて走っている所で、僕はちょっと涙が出てきてしまいました。もう、エリンが・・・。


ヌックとモックの二人が登場するんですけど、何のために出てきたのかよくわかんないんですよね。何をするわけでもないし。多分、視聴者の分身として登場したんでしょう。視聴者の心の代弁者として、思っていた事を口にしてくれていますし。この場に相応しくないおちゃらけた二人が登場したことによって、残酷なシーンが幾分か軽減されたり、場面説明をしてくれてる役割があったんじゃないでしょうか。


ソヨンが突き落とされてから水面に漂う所まで、前にも書きましたが、真っ赤な葉が繰り返し映し出されていて、死のイメージが強調されていました。


エリンとソヨンがようやく出会うわけですが、エリンと会ったことにより、ソヨンの死への決意が逆にできてしまったという皮肉的な側面もあるかもしれません。


ソヨンが闘蛇を指笛で操るという大罪を犯して、エリンを助ける所で僕の涙腺は崩壊しました。スキマスイッチの曲がすごく良いんですよね。ソヨンが大量の闘蛇に襲われながら、石像と真っ赤な葉が繰り返し繰り返し描写されて迫力のあるシーンになっていました。いやぁ、スキマスイッチの雫は名曲だ。一連のカットの流れは見事としかいいようがない。でもナレーションはなかった方がよかったと思います。余韻を作るためにも。

コンテは、布施木一喜さんで、前回の話も良かったけど、今回の方が良かったです。原画は杉本道明さんの一人原画。全般に渡って良くて、特に稽古シーンが良かった。




今回の「獣の奏者エリン」は別格でした。こういう回があるから、アニメって面白いんですよね。